読者の皆様、こんにちは!
税理士の三田洋造(みた・ようぞう)と申します。
千葉県船橋市で法人形態の税理士事務所、「税理士法人三田会計」の代表社員をしております。
今回は、相続に特化した本ブログの第3回目となります。
前回は、相続という言葉の意味として、国語辞典からの引用で
「相続とは、故人の財産(債務も含む)を遺家族が受け継ぐこと」と解釈できる、と述べました。
一般国民が理解する意味としては、ここまでで十分でしょう。
しかし、仕事として多少なりとも相続に携わる方々(特に専門士業の方々)ならば、
国語辞典的解釈で終わり、という訳にはいきません。
たとえば、ここでいう「財産」とか「債務」とは一体何を指すのでしょうか。
「遺家族」とは、誰を指すのでしょうか。
また、「受け継ぐ」とは、どういうこと(行為)を指すのでしょうか。
これらの言葉の意味を、もし訊かれたらどう答えますか。
日本語として普通に使われているこのような言葉も、相続に携わる実務家としては、
一度はきちんと考える(=把握する)必要があると思います。
ここで知っておかなければならないのが【民法】です。
相続に携わる人なら必ず知っておかなければならないさまざまな知識の、
イの一番が民法(特にその第五編 相続)であることは、言うまでもないと思います。
税理士も相続に携わるならば、【相続税法】とか【財産評価基本通達】を知る「以前に」、
民法の、少なくとも(第五編 相続)は一読しておかなければならないと、個人的には考えています。
そこで、私は民法(第五編 相続)を読むために何を使ったかと言いますと、
最初は「相続税法規通達集」(日本税理士会連合会 中央経済社 編)という本でした。
この本は1954年6月25日初版発行で以後毎年「年度版」が発行されている本で、
相続に詳しい、得意という税理士なら大抵持っているであろうと思われる本であり、
中には相続に携わり始めてから30年位、毎年の年度版を必ず購入し、
捨てずに全部書棚に保管しているというベテランの先生もおられるほどの、
税理士にとっての言わば「定番中の定番」的な本です。
この本は文字どおり、相続に関連するあらゆる法規・通達が一冊の本の中におさめられているもので、
この本の一番最後に民法(抄)として(第四編 親族)と(第五編 相続)がまるごと収録されています。
なので、私は民法(第五編 相続)は、まずここで読みました。
しかし、この本では条文しか掲載されておらず、解説はどこにも載っていません。
そこで、それぞれの条文の意味をより深く正確に知るために、参考として購入したのが
「民法3 親族法・相続法 第二版」(著者:我妻 榮、有泉 亨、遠藤 浩、川井 健 発行:勁草書房)
という本です。
私は、実はこの本は後段の「第五編 相続法※」から最近読み始めたばかりで、
まだその(第一章 序説)しか読んでいないのですが、ここだけでも、「目から鱗」はややオーバーとしても、
「そうか、そうだったのか」と、思わずうなりたくなることが沢山書かれていて、大変参考になりました。
(※この本では「第五編 相続」と言わず「第五編 相続法」と、わざわざ「法」を付け加えていますが、
本文の中ではその理由については特段触れていません)
そして、この部分を読んでいてつくづく思ったのは
「相続という言葉の意味は、本当に深いな・・・」ということです。
ここで、そのことを詳しく述べている時間も無いので割愛させていただきますが、
先に述べたように、相続に携わる専門士業の方なら、
「相続」という言葉の意味について今一度考えてみようという際には、
この(第一章 序説)だけでも読んでおくことをぜひお勧めしたいと思います。
(「阿呆か。そんなのとっくに読んでる!」と鋭い突っ込みを入れてくる先生方もおられるとは思いますが、そのような先生方は、流石です。敬服致します。今まで読んでいなかった私は、ある意味まだ未熟でした・・・ 失礼しました~!!)